ドル円106円割れの可能性残る。ADP全米雇用報告を受け

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アメリカ8人に1人が失職

ADP(Automatic Data Processing)社が発表した全米雇用報告では、
新型コロナウイルスの影響で4月の一か月間で、
米国の非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月から2,023万6千人減少したと報告がありました。[1]。

その結果を受けて5/6のドル円相場は106円割れを試す動きとなっています。

本記事ではドル円について、
今後どのように取引をしていけばいいのか考えていきたいと思います。

結論(ドル円の取引について)
・押し目買いはしない方がいい
・突っ込み売りも値幅は取りにくそう

投資の判断材料の一助となれば幸いです。

ドル円の今後の展望

ADP全米雇用報告の影響

民間企業であり、米国の給与計算アウトソーシング会社であるADP社が5/6に発表した雇用報告によると、
米国の非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は、
前月から2,023万6千人減少したとされています。

3月時点の米労働力人口はおよそ1億6300万人であったことから、
大体8人に1人が失職していることになります。

これは、新型コロナウイルス感染拡大を受け、
営業停止を余儀なくされた企業が雇用を削減したことによるもので、
減少幅は過去最悪となりました。

最悪期の金融危機時(08年~09年)ではひと月で80万人減であったことから、
この数字が正しければ25倍の悪化幅となります。

ADP全米雇用報告は、調査を46万社を対象とし、
雇用統計の2営業日前に先月の雇用者数(前月比増減)
の発表をします。

雇用統計前に発表されることから、
注目度はとても高い指標となっています。
しかし、5万人ほどは平均でずれ、
たまに符号が逆になることもあるということから、
過度の信頼は禁物であると言われています。

しかし、市場予測も2,000万人程度減少するとしていることから、
大きな誤差はないものと考えられます。

欧州市場では、
ADP雇用統計前であることから106円20銭台を推移していました。
そして、ユーロ売り、ドル買いの傾向が見受けられ、
ドル円の反発を抑える値動きが見えました。

7日0時付近では106.013円と安値を拡げ、
106円割れを試す動きが続いています。

STAY HOMEが掲げられていることから、
レジャーや飲食の早期需要回復は見込めないことから、
トランプ大統領は大型減税とインフラ投資を軸とした追加経済対策を行うと考えられています。
とくに製造業の国内基盤強化を訴えています。
どのような経済対策をとるのか注目が必要です。

5/8は労働省労働統計局(BLS)の雇用統計が発表されるため、
下手にポジションを持っているのも危険かもしれません。

テクニカルチャートからの判断

●ドル円(15分足)
5/6は一日を通して下落トレンドを形成していて、
106円割れを試すことが数回ありました。
しかし、106円では抵抗を見せ、割れにくい印象があります。

●ドル円(日足)
日足でみると、
一目均衡表の抵抗帯を下抜けています。
また、上から基準線、転換線、価格という順番で推移していることから、
下落トレンドに入っていることが分かります。上値も重い印象です。

最近までは、
円買い、ドル買いとなっていて、
値動きも小さく方向感はつかめていませんでしたが、
徐々に円買いに流れていることがチャートから読み取れます。

下落トレンドであるため、
現状は押し目買いをすることは難しい印象です。

また、ショートを入れるべきかといわれると、
方向感が弱く、あまり下値余地がないように見えます。
106円を割るようであれば、次は105円が見えてきますが、
ドルも円も買われている状況で過度な円高は期待できないというのが現状です。

そのため、
押し目買いはやらない方がいいですが、
売りについてもあまり期待できないことから、
下手にポジションを持たずに見守っていることがいいのではないかと思います。

参考文献

[1] 日本経済新聞, “月に米雇用2千万人減 民間調査、8人に1人が失職,” 6, Jun. 2020. [Online]. Available: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58795650W0A500C2000000/. (6, Jun. 2020).

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